水質調整の基本

水質調整は熱帯魚飼育の基本。ではありますが、ここでは熱帯魚飼育シミュレーションならではのお話をしようと思います。

水道水について

AQUAZONE AXでは、水換え用の水道水は25℃、pH7.245(弱アルカリ性)、GH2.443(軟水)となっています。 淡水魚はグラスキャットを除いて基本的にこの状態で問題なく飼育できます。 海水魚は海水魚を飼育するパッケージには必ず入っている薬品「テトラマリンソルト」を添加します。

具体的に水換えを行う量

試した結果、水質的に水温、比重、pH、GHがお魚ごとの最適範囲を超えない限り、 どんな無茶な水換えを行ってもほとんど魚の健康度には影響しないようです。 なので、淡水も海水も水量の1/2程度一気に換えてしまってかまわないと思います。 (実際は水替え前、水替え後ともにお魚さんに適した水質であれば9割(水替え時の最大水量)替えても健康度は下がらない模様です)

淡水魚の場合、例えば120cm水槽(768リットル)では360リットルを換えてしまいます。 その時に、テトラコントラコロラインを(換える前の水に)72ミリリットル添加します。

海水魚の場合、同じく120cm水槽(768リットル)で360リットルを換えます。 添加するテトラマリンソルトは実に14,400グラムですが、一回に添加できる薬品量は9999.9までなので、 7,200グラムを二回に分けて添加します。

連続水換えの術

前述のとおり、水質が変わらなければ水換えの量はお魚に影響しません。 なので、水量の1/2を連続で換え、あっと言う間に硝酸を0近くまで除去する事ができます。

水換えのウィンドウと薬品のウィンドウを両方開いておき、添加→水換え→添加→水換えと素早く繰り返し実行できます。

死ぬほど入れろテトラコントラコロラインとAZバクテリア

テトラコントラコロラインは、クスリの説明には10リットルにつき2ミリリットル入れろと書いています。
確かに水10リットルに対して2ミリリットル入れると塩素濃度は0になります。ではそれ以上入れるとどうなるか。
ためしに324リットルに対して9999.9ミリリットルを5回連続で入れてみましょう・・・・特に何もなりません。魚の健康度も下がりません。
また、AZバクテリアも10リットルに2~4ミリリットル入れろと書いていますが、こちらも9999.9ミリリットルを連続5回投入。
これまた特に大きな影響はないようです。心なしかアンモニアの分解が早くなったような気がしますが、多分時間をはかったら早くなってないのでしょう。
実験の結果、テトラコントラコロラインとAZバクテリアは少々入れすぎても問題ないようです。
この事実は、テトラマリンソルトを微量添加して水替えを行うグラスキャットなどで効力を発揮します。
つまり、水替えの時にGHを11程度にしてかつ塩素を0にするには水10リットルに対してコロラインを2ミリリットル、マリンソルトを10グラム添加しますが、 コロラインも10ミリリットル添加しても水質に影響しないので、水替えの時に薬品の添加が少し楽になります。

ほとんど期待できない硝酸塩吸収作用

話は変わって、窒素の循環の話。 エサの食べ残しなどの有機窒素化合物→アンモニア→亜硝酸→硝酸という流れで窒素化合物が変化していくのですが、アンモニアや亜硝酸を硝酸に変えるには我らがAZバクテリアで一発です。 しかし、水草を鬼のように入れても、硝酸の値はほとんど減りません。

水槽(水量) 60×40×40の標準60cm水槽(96.000L)
水質 硝酸のみ数値がある(ゼロ以上)。
亜硝酸、アンモニア、たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミンはゼロ。 AZバクテリアはたらふく。
入れた水草 イエローガボンバ(大)×3
スターレンジ(大)×3
ヘアーグラス(大)×3
レッドピンネイト(大)×3
結果 ライトがついていない状態:硝酸は減っていかない。
ライトがついている状態:100倍速で2秒弱に0.001減っていく。

96リットルに水草を合計12個入れている状態で2秒に0.001減っていく硝酸。 それに対してこの容量の水槽で成魚のネオンテトラを8匹飼うと餌の度に2秒で0.010は硝酸が上がっていきます。
海水の場合はそもそも水草を入れる事ができませんので硝酸値は決して自然には消えていきません。
結論として循環水槽は作れそうにありません。なので定期的に水替えを行う必要があります。

フィルターの 汚染度なんて気にしない

AQUAZONE 1.XXではフィルター汚染度は極めて重要なパラメータのひとつでした。 しかし、AQUAZONE AXではAZバクテリアなるチート薬があるおかげでフィルター汚染度はまったく気にする必要がありません。 AZバクテリアを死ぬほど添加→アンモニアや亜硝酸が出てきたらまたAZバクテリアを死ぬほど添加、の繰り返しで問題なくどの魚も飼育できます。 たまに数日家に帰れなくてほったらかしにしていた水槽を見ると、ひょっとしたらフィルター汚染度が60%を超えるとバクテリアの数が減ってアンモニアや亜硝酸が発生するのかも知れません。 そうでないかも知れません。何度試してみても謎です。

フィルター自体を撤去してみると・・・・

AQUAZONE AXでは、ヒーターやフィルターを撤去する事もできます。実際にフィルターなしで還元水槽はできるのでしょうか。

フィルターを外してみると、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミンが減っていかないのは当たり前なのですが、 硝酸、亜硝酸、アンモニアに関するシミュレーションが不可解な事になります。 AZバクテリアをどんなに投入してもAZバクテリアから発生したであろうバクテリアからの硝化作用が一切なくなります。 フィルターありの状態でAZバクテリアを投入すると鬼の働きで硝酸しか残らなくなるのに、そこからフィルターを外すだけでアンモニアが発生しはじめます。 フィルターはセットしておいた方が良いでしょう。コリドラスは鬼の勢いでフィルターに吸い込まれていきますが・・・・。

フィルターを掃除してみる

AQUAZONE 1.xxはフィルターの掃除が5%単位でしかできませんでした。AQUAZONE AXでは掃除ボタン(?)を押している間ちょぼちょぼと綺麗になっていきます。 ところで、AZバクテリアによってフィルターに定着したバクテリアは掃除するとどうなるのでしょうか。 結論から言うと、40%を下回るとバクテリアが減っていくようです。イマイチ謎な動きで正確なところが分からないのですが、 90%近くまで汚す→40%まで掃除→アンモニア増えていかない→35%まで掃除→若干アンモニアが増え始める→0%まで掃除した瞬間バクテリア0の状態にリセットされる(?)ような動きになっているようです。
なので、フィルター汚染度は40%以上50%未満あたりに設定しておくのが良いでしょう。